ここでいう骨格、背骨の歪みは一般的に、ズレる・曲る・ゆがむという表現をしますが、これは誤解を招きやすくカイロプラクティックの分野では脊柱や背骨の異常をサブラクセーションと表現します。
サブラクセーションとは『隣関節構造の正常な動力学的、解剖学的、そして生理学的関係の変調である。』と、定義されています。
少し難しい話しですが、これは1972年にアメリカ政府がカイロプラクティックを老人保健に組み入れる際に決定したもので、カイロプラクティックに関する世界のすべての機関では、この言葉を使っています。 簡単にいえば、ある関節が“動きが悪く”“構造的に歪みをつくり”“神経学的な痛みや熱、こりなどが伴う”ことが分かれば、サブラクセーションが起きているというわけです。 それを、手技により検査・評価できるのがカイロプラクティックの技術です。
人体にはなぜ、サブラクセーション(ズレ)が起こるのか
重力に逆らう直立2足歩行は、骨格に構造的なストレスをかけますし、右利き、左利きの違いだけでも身体のバランスは微妙に狂ってきます。 また、何かにつまづいた、すべって転んだ、交通事故…などの外傷のほかにも悪い姿勢、仕事上の習慣の動作、運動不足、または無理な運動…これら身体へのマイナスの刺激は、次第に人間の身体をゆがめついにはサブラクセーションを引き起こしてしまいます。
また、内臓のコンディションが筋肉へ反射し特定の脊椎にサブラクセーションを引き起こします。 (⇒内臓一体性反射)内臓の問題は、内臓から構造要素に影響する〖反射〗という神経のしくみを介して外側の筋肉などに大きな影響を及ぼすのです。 さらに、精神的なストレスが影響することもよく見受けられます。
例えば・・・ 腰痛の場合でも精神的なストレスが原因で副腎ホルモンに異常をきたし、その結果、下肢の筋力が低下し 骨盤のサブラクセーションを起こすケースも多くあります。人間は身体も心も一体です。
ひとつのユニットとして存在していると考えるのがカイロプラクティックの立場です。 そういう目で人間の身体を診ていくと視野も違ってきます。腰が痛いという時、その原因は腰の骨や筋肉、靭帯、神経、軟骨などにある場合もあればまったく別にあることも多いのです。症状と同時に『なぜ、そうなったのか?』の理由を身体全体に求め根本解決をはかろうと考え、決して部分疾患とは考えないのがカイロプラクティックなのです。